第22期定時株主総会 招集ご通知 証券コード : 1419
タマホーム株式会社 当連結会計年度におけるわが国経済は、大型台風など相次ぐ自然災害の発生や2019年10月の消費増税による消費者マインドの落ち込み、その後発生した新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動の停滞等、当連結会計年度末にかけ今後の景気動向について鈍化が懸念される状況が続きました。
当社グループの属する住宅業界におきましては、新設住宅着工戸数は全体では前年度比7%減の88万戸となり、利用関係別に見た持ち家着工戸数はほぼ前年度並みの28万戸となりました。しかしながら、2020年3月以降に拡大した新型コロナウイルス感染症および、その後4月7日に政府より発出された緊急事態宣言に基づく不要不急な外出の自粛要請等により、当連結会計年度末にかけ、住宅業界は、受注および販売を確保するため慎重な対応が求められる状況が続きました。
当社においては、2020年1月より新型コロナウイルス感染症の拡大に起因する不測の事態に備え本社に対策本部を設置し、2月末に発生した中国のサプライチェーンの不安定化による一部住宅設備の納品遅延等に際しても、建築工事への影響を最小限に止めるよう必要な対応を進めてまいりました。
このような状況のなか、当社グループにおきましては、2019年5月期よりスタートした中期経営計画「タマステップ2021」に則り、「注文住宅着工棟数№1を目指し、事業改革にて新たな事業の柱を構築する」を基本方針とし、地域特性に合わせた販売戦略を策定、実施し、当社グループの中核事業である注文住宅事業の収益基盤を強化するとともに、各事業においてより一層の収益力の向上に努めました。
各事業の概略は以下のとおりです。
主要な事業内容 | 注文住宅の建築請負、リフォーム工事等の請負、外構工事等付帯工事の紹介
住宅事業においては、注文住宅事業において、新しく17ヶ所(うち移転6ヶ所)の出店を行い、営業拠点は245ヶ所になりました。また、モデルハウス、ショールームのリニューアルを60ヶ所において実施しました。
当社の展開する戦略商品である「地域限定商品」を中心に受注が引き続き高水準を維持したことに加え、従前より進めてきた各月の着工棟数の平準化施策により、期初から完工棟数が底上げされ、その結果、引渡棟数については8,890棟と前年同期比で5.3%増加しました。また、前期より実施してきた価格改定による利益率の改善効果等もあり、当連結会計年度の損益水準は大きく改善しました。
また、リフォーム事業において、引き続き、入居後10年を経過したお客様を中心に保証延長工事等のリフォーム受注活動を積極的に展開するとともに、業務品質向上のための社員研修等、組織力の強化に努めた結果、増収増益となりました。今後も、累計で13万棟を超える豊富なストック情報をもとにお客様との関係深化を図りつつ、築年数やお客様のニーズに応じた最適なリフォーム商品の提案と販売を進めてまいります。
以上の結果、当事業の売上高は167,099百万円(前連結会計年度比10.2%増)、営業利益は3,775百万円(同370.9%増)となりました。
主要な事業内容 | 分譲宅地・戸建分譲の販売、マンションの企画・開発・販売、オフィスビルの転貸事業、オフィス区分所有権販売事業、不動産仲介
不動産事業においては、戸建分譲事業において、引き続き、資金回転率を重視した10区画以下の小規模分譲地を中心とした仕入、販売に取り組みました。これまでの分譲営業体制の強化に加え、2019年10月の消費税引き上げを意識した需要動向もあり受注・引渡ともに好調に推移し、引渡棟数については620棟と前年同期比で31.4%増加しました。今後とも、良質な販売用地を確保するための仕入体制の強化に注力しつつ、販売棟数の確実な伸長を図っていく方針です。
マンション事業においては、用地価格の高騰から新規プロジェクトに係る仕入を厳選する傍ら、中古住宅への需要の高まりに対応した中古マンションのリノベーション販売を中心に進めてきましたが、当社がメインターゲットとする首都圏、特に都心部においてオリンピック関連の建設ラッシュによる原価高騰が長期化していること等から、販売実績は計画未達となりました。
サブリース事業においては、引き続き東京23区内に所在する管理物件数の拡大に努力した結果、期末管理物件数は16棟となり、事業収入は順調に推移しました。
オフィス区分所有権販売事業においては、オフィス需要の旺盛な東京主要7区を対象に仕入を行い、確実に販売を進めた結果、販売実績は好調に推移しました。
以上に加え、当連結会計年度に売却した販売用不動産(東京都大田区)の売却収益が不動産事業の収益向上に貢献した一方、前連結会計年度における販売用不動産(福岡県福岡市)の売却収益が大きかったことにより、当事業の売上高は、33,427百万円(前連結会計年度比25.5%増)、営業利益は4,726百万円(同14.9%減)となりました。
なお、当連結会計年度における販売用不動産(東京都大田区)の売却につきましては、2019年7月26日に公表しました「(開示事項の経過)販売用不動産の売却に関するお知らせ」をご参照ください。
主要な事業内容 | 火災保険等の保険代理店業務、注文住宅購入者向けつなぎ融資
金融事業においては、引き続き積極的な保険販売とつなぎ融資を推し進めました。保険販売については、近年頻繁に発生する自然災害や、健康・年金といった老後への備えに対する意識の高まりから、補償内容の見直しや拡充といったお客様ニーズを販売活動において的確に捉えるとともに、お客様からの問合せに対するフォローアップ体制の充実に努め、また、つなぎ融資については、当社で住宅を建築いただくお客様への提案活動を強化すること等により収益向上に努めた結果、増収増益となりました。
以上の結果、当事業の売上高は1,434百万円(前連結会計年度比23.1%増)、営業利益は564百万円(同30.5%増)となりました。
主要な事業内容 | メガソーラー発電施設の運営、経営
エネルギー事業においては、福岡県大牟田市で商業運転するメガソーラー発電施設の売電実績が、昨年夏以降の天候不順や電力会社による出力制御の指示により軟調に推移したことおよび同施設に係る固定資産税の減免措置が終了したこと等により、当事業の売上高は791百万円(前連結会計年度比10.3%減)、営業利益は206百万円(同36.9%減)となりました。
主要な事業内容 | 広告代理店業、家具販売・インテリア工事の請負、地盤保証、農業、アパレル事業、車両リース事業、海外における投資・情報収集・開発、宿泊施設の経営、食品の販売
その他事業においては、住宅事業における引渡棟数の増加により住宅周辺事業が引き続き堅調に推移しました。また、主に前連結会計年度に行ったグループ会社の事業整理の結果、損益水準が黒字ベースに転換したことにより、営業利益を計上することができました。
以上の結果、当事業の売上高は6,454百万円(前連結会計年度比1.3%減)、営業利益は513百万円(同277.8%増)となりました。
以上の結果、当社グループの連結経営成績は、売上高209,207百万円(前連結会計年度比12.0%増)となりました。利益につきましては営業利益9,873百万円(同34.0%増)、経常利益9,754百万円(同40.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5,109百万円(同29.9%増)となりました。